椎名高志、189日目の逆襲。
もうネットでは大反響ですが、絶対可憐チルドレン 73rd sense.「スキャンダルの館(2)」は、恐ろしい……実に恐ろしい話でした。その中心にいるのは、末摘花枝さんです。どういうことなのかは、ここでは書かずにおきますが……、
という不二子管理官の言葉には、万感の思いが隠されていたようです。
でもね、ここで考えずにはいられないのです。
末摘さんの登場は「いつか王子様が(1)」(2006年第31号・単行本6巻収録)です。最後に登場したのは、第33号掲載分。これは2006/07/19発売ですから、ちょうど半年、日数にして189日も前のことになります。
はっきり言えば、チョイ役のゲスト・キャラだと思ってました。それはいいとしても(再登場は嬉しいし)、こんな秘密が隠されているなんて、思いもよりませんでした。
前号のメイド役やM属性くらいなら、付加要素としてもアリでしょう。しかし、今回の正体バラシみたいなのは、ちょっと要素として大きすぎる感じがしますし、なにより引っ張り過ぎです。
さて、ここで、「いつか王子様が(3)」執筆当時の、椎名先生の言葉をひもといてみましょう。
実は現在まだ最後のページをどうするかをめぐって担当とのカケヒキが続いてます。2バージョンのオチを描いて仕上げてあって、担当とワタシの主張が真っ向から対立してる状態です。没になった方はあとで公開しますね(笑)。なんなら投票で単行本収録の際どっちにするのかを決めるのもオモシロイ…かな?
このときの「あとで公開しますね」という言葉は果たされずにいましたので、「没になった方」というのは、ずっと謎のまま過ぎていました。単行本には収録されず、サイトでも公開されず。が、もしかして、今回のコレこそが、その没バージョンだったとしたら……。
椎名先生は、連載でシリアスな展開を積み重ねながら、実に189日にわたって「担当とワタシの主張が真っ向から対立」した展開の秘密を、ずっと隠し持ち続けていたのです。つまり、たとえ担当さんが変わろうとも、椎名先生と担当さんの綱引きは、まだまだ終わることはないのです。
まぁ、それだけのネタですけど。
末摘さんについて書きすぎたので、他のことが書けなくなってしまいました。愛おしさが増す一方の初音ちゃん、鬱積した日々を感じさせる朧さんの酒癖、ヨゴレが似合いすぎるナオミさん、壊れかけのレイディオな紫穂、実は何も解決されていない皆本の恋バナ……触れたいことは山盛りあるというのに。
しょうがないので、私的に特に注目する扉絵についてだけ、触れておくことにします。これだけは、外せない。
タイトル文字の「対可」のあたりにご注目ください。ザ・ダブルフェイスの外ハネさん・常磐奈津子の胸があります。見たところ……タオルもなさそうであります。単行本化にあたっては、タイトル文字も外されるはず。
先生……信じてますよっ!