いかにも最終回っぽく始まった、絶対可憐チルドレン「
とっておきの日(1)」。いろいろ考えてしまったので、今回は、いつもにも増してだらだら長く(笑)、感想を書きます。
●誰が見た風景?
これは、他のサイトでも語られてることですけど。気づいた中では、このへん。
>> くるくるばたばた 今週の絶チルはちょっと驚いた。
>> 絶対可憐チルドレン感想掲示板 :: とっておきの日(1)
(下の方のるかるかさんのコメント)
どちらも面白く興味深いので、これらを読めば、今さらサスケの話なんか読まなくていいかもですが(笑)、とりあえず思いついたことは書いておきます(貧乏性)。
さて、絶チルでの未来図といえば、「薫が皆本に撃たれる風景」ですよね。これまで、何度となくリフレインされてきました。
あれも、今回出てきたのと同じく10年後(もうちょい先かな?)の話なんだけど、より正確には、描かれているのは「未来の図」じゃなくて「未来予知の図」ですよね。つまり、イルカの伊号おじーちゃん(伊 - 九号)が皆本に見せた景色であって、実際の光景というわけではありません。
じゃあ、今回出てきた「帰ってきた薫」という風景は、何なんでしょう? 少なくとも、伊号おじーちゃんの見せた景色ではありませんよね。
てなこと思いつつ、最後まで読んでいくと、兵部少佐が出てきます。これに意味はないでしょうか?
インパラヘン編の最後で、兵部さんは「伊 - 八號」と書かれた謎の球体を前に、「薫が皆本に撃たれる風景」をチェックしたりしていましたよね。つまり、兵部さんは、伊号おじーちゃんとは別経路で「未来予知の図」を見ることができる(のかもしれない)わけです。
もしかして、あれは、「伊 - 八號」が見せる未来予想図なのかな? と思ったのですが、どうでしょうか。
●セットじゃないザ・チルドレン。
前から思ってたんですが、バベルという組織から考えると、ザ・チルドレンが三人セットである意味って、イマイチよくわかりません。
ザ・ハウンドやザ・ダブルフェイスは、能力的に見ても二人セットのほうがいいでしょう。でも、薫と同系統のナオミは単独で任務をこなしてますし、紫穂や葵には、単独任務のエピソードがありました。つまり、チルドレンはバラバラでもいいんです。というより、バベルとすればバラバラの方が使い勝手がいいかもしれない。
それが、三人セットになってるというのは、ぶっちゃけ、性格に難があるからでしょう。難があるっていうと、言い過ぎかもしれないけど。
単に我がままっていう面もあるけど、三人はかなり強くお互いに依存してる面が見え隠れしている気がします。それは、10歳という年齢的なことや、これまで生きてきた道のりの影響もあるので、しょうがない部分もあるけど。だから、バラせない。
が、未来図でのチルドレンは、バラバラになってました。もちろん、説得に応じてまた一緒になるのかもしれないけど、少なくとも、それぞれ独自の判断をもって動いてるわけです。この後、一緒になったとしても、現在のような形ではないでしょう。
今回のシーンみたいに対立する可能性があるとしても、それは、決して悪いことではありませんよね、きっと。
●すごいアップ。
絵的なことで、今回まず目を惹かれたのは、見開きになったタイトルページにどどーんと描かれた薫のどアップでした。椎名先生がここまでのアップを描いたことって、あんまりない気がするんですけど。
……でもないかな? 2巻オマケの「鬼はお前らだー!」や3巻の「皆本は……あたしのモンだー!」なんかも、かなりデカいですしね。でも、印象度は今回の方が相当上の気がするんですよね。単純なサイズの問題だけじゃなくて、構図なども関係してるのかもしれないけど。
ただ、そう思うと、なぜこのエピソードをこのタイミングで? と思わなくもないです。なんでかって言うと、この話は(たぶん)10巻の真ん中あたりに来るから。
どうせなら、単行本のトップに持ってきた方が、どアップの効果は高まるような気がするんですよね。新たな未来図の効果も高まるでしょうし。もったいない。
ま、どっちでもいいことかもしれないけど(笑)。
●とき〜は、にせ〜んにじゅ〜ねん♪
「絶対可憐チルドレン」はいつの時代の話なのか? これについては、「作品世界について - 絶チル備忘録」でも予想を立てていましたが、所々にヒントは提示されていたものの、具体的な数字としては推察するしかありませんでした。
それが今回、初めて明らかにされましたね。未来は2020年。現在は2011年(ここでいう現在とは、チルドレン小学5年時ですから、物語スタート時点では2010年ですけど)。
当初はボカしてたのに、ここへきて具体化したのはなぜなのか、なんか裏事情があるのかもしれないけど、タイミング的には最高だったかもしれませんね。
なんとなく「2020年――東京」という文字に、「じゃじゃん♪」とオーケストラ・ヒットがかぶさって聴こえた気がしました(笑)。
●進化する新聞。
絶チル世界の2020年の新聞には、どうやら動画プレイヤーが内蔵されるようです。すごーい。
そういえば、くるくるっと丸められるディスプレイなんかも実際に開発されていますから(ちょい古いけど「よくわかる!技術解説 - 有機EL 関連プロジェクト」など)、それほど荒唐無稽なSF設定というわけでもないかもしれませんね。
●「これじゃ、テレポートができへん……!?」
未来パートでマンションが破壊されたとき、葵が「テレポートができへん」とか言ってるんですが、なんで? 意味がよくわかりませんでした。
周りに細かい破片が飛んでると、テレポートできなくなったりするんでしょうか? あるいは、出現先で爆発してると危ないから? もしかしたら、このへんのテレポーター攻略のヒントが?
●「とっておきの日」とは?
最後に。
タイトルになってる「とっておきの日」ってなんでしょうね? おそらく次回以降に明らかになるんだろうけど、その前にちょっと考えときます。
普通に考えると、皆本がチルドレン担当になった一周年記念の日、でしょうか。また、未来図で出てきた「オルゴール」が渡された日、なのかもしれません。
ただ、その手の記念日だとすると、ちょっと怖い想像も成り立つかも。
まず、周年記念日だったら(あるいは、進級記念とかなら)、これからも毎年やってくるわけです。それが、ことさら「とっておきの日」とクローズアップされるのは、なぜか?
それに、意味ありげに出てきた「オルゴール」ですが、これが仮に、今回の皆本からのプレゼントだとすると、ちょっと演出過剰な感じです。
なぜって、皆本のプレゼントは、これが初めてではありません。小学校に通いはじめたときにもプレゼントしてるし(資金提供は、桐壺局長だけど)、クリスマスには、おしゃれ度がアップした新型ESPリミッターもあげています。じゃあ、なぜ「オルゴール」が特別なのか?
てなこと考えてると、今回のエピソードが「とっておきの日」になるとしたら、これから1年以内に皆本との別れが待っている、「とっておきの日」は今回が最後だから、などと思えなくもないのですが、どうでしょうか。
なんてのは考え過ぎ、というか、ちょっと無理あるかなー?(笑) もっと単純なことかもしれませんけどね。
はー、やっぱりダラダラ長過ぎですね(笑)。もっと短く簡潔にまとめたい……。